獨活籙

筆に花開かせんと欲する者の雑文の掃き溜め

拔茜由来長物志

どうも堂主です。

タイトルがうまく決まりませんでしたね。 助六縁江戸桜と引っ掛けようと思ったのですが、いまいちうまくいかず。

拔茜堂とは

私の雅号の1つである拔茜堂主人ばっせんどうしゅじんですが、2017年頃に自分でつけたものです。 『易経』由来でございます。

易の中に、この世が真っ暗だ、ということを表す「天地否」というものがありまして、

否。之匪人。不利君子貞。大往小来。
否はこれ人にあらず。君子の貞によろしからず。大往き小来たる。

と卦辞にあります。

そして、小人たる私は初爻ですので、

抜茅茹。以基彙。貞吉。亨。
茅を抜くに茹たり。その類をもってす。亨る。

まぁ世の中真っ暗というのは当時にしてはあまりいいセンスではなかったと思いますが、今から考えると言い得て妙なのかもしれません。
それに、拔茅というのは悪い意味ではなくて、

有能な人々が、自分だけが有利になるようにせず、仲間と共に進んでいくこと。「抜茅」は植物のちがやを抜くことで、ちがやは根が繋がっているために、一本抜けば他のものが連なって抜けることから、仲間と共に進むことのたとえ。有能な人々が互いに能力を認め合い、互いに推薦しあって、一人が登用されると他の人々も登用されることをいう。

という意味でして、少しでも有能な朋友に認めてもらえたらなぁ、という気持ちがありました。 で、なぜ茜に字を改めたのかと言えば、地元がかつてアカネの栽培を行っていたことに由来します。

そして、発音がバッセンとなって、酒の栓を抜くことを暗示、酒好きの私を意味する号としても完璧でございます(笑)。

獨活籙どっかつろく

見掛け倒しで役立たずのことをウドの大木と言いますが、『長物志』という明代の文人の本が本歌です。 (経世済民にとっては)無用の長物であるにせよ、文人趣味を楽しませるものどもが記されている本なのですが、そのまんまでは面白くない。 とは言っても、そのテイストを残したい。

ということでウドの大木という連想が働いて、独活録。 独を旧字体にしているので、録も古めかしさを出すために竹冠をつけて古風を装うことにいたしました。

ということで、これまで。